【確認用】セーブル Sevres 1773年 ブルーライン金彩花絵

●製作年:1773年
●素地:ソフトペースト（軟質磁器）
●サイズ
直径:25cm
高さ:2.9cm

装飾:
Bertrand:1757-75年まで在籍
Jean-Baptiste-Emmanuel VANDE:1753-79年まで在籍

ブルーライン金彩花絵は初期のセーブルにおいて、一世を風靡した伝統的なパターンです。創業序盤から革命終焉の18世紀のギリギリ最後まで製作され続けました。しかし19世紀に入り、マイセン同様の硬質磁器に移行すると表舞台から姿を消します…。軟質だからこそできた色彩表現と温かみだったからです。ちなみにポンパドール夫人も初期のコレクションとして愛用していたようです。

ライバルのマイセンの18世紀の花の描画は、様々な困難があった故、地に足が付かず常に迷走していましたが、着実にセーブルは全体として技術も顧客も身に着けて成長していきます。今回出品したような時代の花絵は、19世紀に完成する、そこへ向かうまでの重要な通過点です。ブレなく安定して18世紀の段階でこのような素晴らしい描画を表現できていたことは本当に驚きしかないです。

当時、普段使いとして使用されていた為、カトラリー痕が多く散見されますが、当時の王侯がこのプレートを用いていたと想像するだけでロマンがあります。釉薬下のブーケ、ボーダーの金彩、ブルーライン上の金彩はちゃんと残っており、如何に実用に耐えうるよう丁寧にしっかりと装飾されたのか理解できます。

私たちはタイムスリップして過去へ行くことはできませんが、これ一枚だけでも当時の情景や空気感を蘇らせてくれる貴重な存在です。セーブルのアンティークは、例え修復やカケがあったとしても…生き残ってくれているだけで十分に価値があるのです。

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